白河夜舟の備忘録

【白河夜船】実際には見ないのに、見たふりをすること― (引用:広辞苑)

自分のための記録です。思考や感情の変遷を、日記的メモ的にまとめています。
学生時代の記事は一部を除いて非公開にしています。
過去の自分は他人だと思っています。

第N章の開幕

口を突いて溢れた瞬間、人生のベクトルが変わってしまいました。

学部2年の始め、建築学科に所属した初日、製図版の上に並べられた一面の青焼き図面を前に、アントニンレーモンドのトレース課題を受け取ったときと同じような興奮を9年ぶりに味わっています。夏も過ぎ去ってちょうど寒くなってきたこの季節、コンビニ休憩に出かける中でおセンチだと交わした同僚との会話が林立するビルの狭間で木霊して、気持ちが増幅する間にとんとん拍子で話が進んでしまいました。何が伏線になっていると断定できませんが、沸々と移相に耐えていた過加熱の欲望がついに沸騰したのだと思います。かつてない最高のタイミングで、今現在の環境の居心地の良さに反抗しながら、ついに自分の人生を押し進める時期がきた、と思いました。何一つ後悔がないことに我ながら驚いています。至極前向きで、自分の人生がこれから幕を開けるのだと興奮が抑えられません。

とりあえずこの3日間は制作するものを制作して、部屋の掃除をして衣替えをします。しました。

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ほぼ同時に、尊敬して止まない世界で一番のドロワーの一人、キムジョンギ氏が急逝されました。ご冥福をお祈り申し上げます。
仕事の遅い時間にトイレでtwitterを眺めているとジムジョンギ氏の訃報を知り、これほどまでに影響を与えてきた人物があっさりとこの世を去ってしまうことに対する無常、本人に対する同情なのか、遣る瀬無さに打ちひしがれました。改めてみると本当に素敵な作品ばかり。自分が生きる一つの目標を失ってしまった喪失感に苛まれています。

キム・ジョンギ JP on Twitter: "https://t.co/mJL8sRA1nF" / Twitter

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昨日は創作の貴重な栄養源、TOMOOさんの演奏を堪能しにminami wheelへ行きました。日々数字に囲まれていると非科学的なものへ傾倒することが軽薄に思え自信を喪失することもありますが、好きなアーティストが目の前でパフォーマンスをして、自分を含めそれを楽しみに待っている観客が大勢いる現場に足を運んでみると、後者を肯定することが決して間違いではないことを再認識できます。特に今年は設計業務の忙しさで目の回る日々が続いていますが、そうすることでなんとか創作への火種を維持・再燃し続けています。息を飲むような魅力的なパフォーマンス。とても楽しかったです。

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一生忘れられない3日間。今日はかつて自分も受けた一級建築士の製図試験だったらしい。おつかれさまでした!頑張りましょう。